僕はきっとを見るだろうに




手に持っていたナイフを暫し見詰めて、ほんの僅かばかり手首を捻る。その銀刃が鏡とはまた違う精緻さで光を弾き、ちかりと光った。大して強くもない室内灯、凝縮された其れは目を刺すことも無くただその場に明滅しただけだった。

ふと気になることを思い出す。そういえば昨日しでかした些細なミスは自分の、キラの尻尾を掴ませるものに成りえるだろうか。 粧裕は、どうしているだろうか。大学にはもう慣れたのだろうか、最近余り会っていない。メールどころか手紙が来ていたが、忙しくて返せていない。

手紙の冒頭には元気ですか、という定型句。微笑ましいと思う。

眠たい、と唐突に思う。ここ最近は満足に寝れない日々が続いている。テレビでの犯罪者報道規制についての大詰め期に入り、捜査本部は各々激務に追われている。粧裕には少しばかり後ろめたいな、とちらりと思った。



疲れているのかもしれない。疲れた、のかもしれない。今更そんなことに問題は無い、が。





僕は食事を再開した。






グロッキー。