打算と打ち



抱かれたからって何がかわる訳でもない。


年下の餓鬼に、と思うことが無くはないが、
まぁいいかと思う辺り俺だって相当参ってる。

「―神田、愛してるんです」

必死になって、ひたむきに愛を囁く餓鬼は、餓鬼だからこそ 有無 を 言わせない。

「…ああ。」

眩い。


きっとそんな長い間のことではないのだから。
溺れてしまおうかとちらりと思った。



抱いたからって何が変わった訳でもない。


いつまでたっても餓鬼扱い。ただそれはこちらにとっては好都合。
何も知らぬ餓鬼の振りをして押し通せば
はらり と手の中に落ちた。
普段 射殺せ そうな程鋭いくせにふとした瞬間諦観を浮かべる瞳に、
目茶苦茶にしてやりたい衝動 を抱えながら必死に薄っぺらい愛の言葉でも囁く。


遠くに行きたいならば、せめて心置き無く。





そんなスタンスでしか触れられない