める素振り


だから嫌だと言ったのに。分かってないのはこいつの方だ。
何も知らない癖に、調子に乗って踏み荒らす。

嫌だ嫌だとわざわざ言ってやったのに、
押し通せば 許される と 傲岸不遜な独り善がり。
何かを履き違えたこの無様な自分。

晒すことを強要されれば崩れていく

     、のはこいつだけのものではないのに。

「…この餓 鬼」
「何とでも。僕は貴方が欲しいんです」
「貴様にくれてやるものなんか」

刹那の縁すら。

「いいえ。―いいえ?僕の一存です」
「知ったことか」

「じゃあ 離れないで?」 

「知ったことか」

おまえなんかしらない





可哀相なひとだ